研究テーマは主に以下の4つである |
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1) 地球観測センサ設計のシステム化 近年、地球環境のあらゆる側面からの監視や人間活動の総合的な把握といった社会的要請に応えるため、地球観測センサに対する要求は複雑化・高度化している。地球観測センサ自体も、イメージャ、ラジオメータ、レーダ、ライダなど多岐に渡り、最先端の技術(集積回路、材料など)を取り入れて進化している。このような状況を考慮し、我々は「情報連鎖」と呼ばれるコンポーネントの逐次的な連鎖の概念に基づき、科学的要求を満たすセンサ性能(空間/スペクトル分解能、幾何学的性能、放射性能)を推定する汎用的なスキームを研究している。特定のプロジェクトで導入されたセンサーモデルや、各コンポーネントに適用された主要技術をこの汎用スキームに集約することを試みる。 |
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2) 地球観測センサーの校正技術 校正はセンサーの信号出力を工学単位(例えばボルト)で物理量(例えば放射輝度)に変換する重要な技術であり、校正精度は最終製品の品質の重要な部分を決定する。また、優れた校正精度は、機器の種類や開発・運用者に関係なく、地球観測センサ間の相互運用性を保証する。我々は、これまで導入されてきた地上支援装置による打上げ前試験での校正方法と、搭載された校正システムによる軌道上での校正方法について検討する。また、このような情報連鎖に基づき、インプロセス校正やインパーツ校正をエンド・ツー・エンド校正に統合する手法を提案する。 3) インテリジェントな構造設計 将来の日本のプロジェクトとして、静止軌道からの大型地球観測望遠鏡や合成開口レーダー用の大型展開アンテナが計画されている。これらのプロジェクトでは、センサの性能を最大限に引き出すための機構設計が重要となる。私たちは、光学機械モデルと計測技術を組み合わせることにより、センサの性能を自律的に補正できるインテリジェント構造システムの研究を行っています。 4) 小型衛星用地球観測センサー 近年、小型衛星コンステレーションによる時分割地球観測が多くの民間企業や大学で研究されている。観測装置の小型化には、最先端技術の導入だけでなく、資源制約の中でどのような性能を重視するかというシステム工学的なアプローチも重要である。本研究では、これらの情報連鎖に基づく小型化手法を提案し、将来の革新的な小型センサを提案する。 |
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